アーティスト紹介 第三弾【B’zについて】

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今回は私SUSHIROCKが愛してやまないアーティストB’zについてご紹介したいと思います。

◆B’zとは?

ご存じの方も多いかと思いますが、B’zはボーカルの稲葉浩志(いなばこうし)氏と、ギターの松本孝弘(まつもとたかひろ)氏からなる日本を代表するロック・ユニットです。

1988年にシングル『だからその手を離して』とアルバム『B’z』の同時発売でデビューし、以降30年以上現在に至るまで数々の作品がミリオンヒットし、CDの総売り上げ枚数は日本最高の約3600万毎に至ります。2007年にはアジア圏のミュージシャンとしては初めて「ハリウッド・ロックウォーク」に殿堂入りを果たしています。B’zが私を含めた多くの人々になぜ愛されるのか?その魅力を私なりの考えと共にご紹介したいと思います。

◆稲葉浩志(いなばこうし)氏について

B’zのボーカルと作詞を担当。岡山県津山市出身でありお母様が経営なさる『イナバ化粧品』は有名な観光スポットになる程。『第1回津山市市民栄誉賞』も授与されています。

日本人離れしたハイトーンヴォイスと、その甘いルックスからは考えられないナイーヴな男心を表現した歌詞が特徴です。横浜国立大学出身で在学中には数学教員免許も取得したインテリでもあります。大学卒業後プロを目指してBeing音楽振興会(後のBeing Music School)にて歌唱を磨く中、松本孝弘氏と運命の出会いを果たします。

B’zだけでなくソロや、アメリカのギタリスト・スティーヴィー・サラス氏とのユニット『INABA/SALAS』等精力的に活動されています。

INABA / SALAS “AISHI-AISARE”

◆松本孝弘(まつもとたかひろ)氏について

B’zのプロデューサーかつリーダであり、ギターと作曲を担当。大阪府豊中市出身で現在ロサンゼルス在住。セッションミュージシャンやTM Network等のサポートメンバーとしてのキャリアを経て、当時所属していたBeingの練習生であった稲葉浩志氏と運命的な出会いを果たしB’zを結成。その後もB’zとしてだけでなくソロギタリストとしても数々のインストゥルメンタルアルバムをリリースし、2010年に発売したアメリカの名ギタリスト・ラリー・カールトン氏と共演したアルバム『TAKE YOUR PICK』では、『第53回グラミー賞』最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバムを受賞されています。その松本氏の魅力は音を聴けば誰もがすぐに解るギタートーンと、数々の楽曲をヒットさせてきた作曲能力です。

Larry Carlton & Tak Matsumoto 「JAZZY BULLETS」

◆B’zの魅力

では、私が感じるB’zの魅力を語りたいと思います。

・B’zの戦略

B’zの最も凄いと思うところは「ハードロック」という本来なら聴く人を選ぶ音楽をお茶の間音楽にしてしまったことだと思います。しかしそれは戦略的にでした。B’zが1988年にデビューした当初の楽曲は、現在の様なロックなテイストではなく、TM Network等が行っていた当時のトレンドであるデジタル要素の強いポップスが多くを占めていました。アイドル路線かの様にキラキラした雰囲気でした。そこから1994年リリースのアルバム『The 7th Bluse』、1999年リリースのアルバム『Brotherhood』等でロック色を強め、徐々に現在のイメージに近づいていきます。まずは流行りを追うことでリスナー&ファンを増やし、土台が出来たうえで本来やりたかった音楽をするという戦略が成功し、本来ロックを聴かないリスナーに対しても「B’zが好きだから」という理由で多く聴いてもらうことに成功したのでした。

B’z / LADY NAVIGATION

B’z / Don’t Leave Me

B’z / ギリギリchop

・ロックと歌謡曲の融合

まずはそのハードなサウンドが耳に残りますが、そのメロディは日本人のDNAに埋め込まれた歌謡曲に基づいたキャッチーなものが多いです。それは松本氏、稲葉氏のご本人も語られていますが、彼らがティーンネージャーだった頃はレッドツェッペリンやディープパープルと同じ様に、日本の歌謡曲もまた彼らにとって「カッコイイもの」のひとつだった様で、作風も影響された様です。ここぞで盛り上げるキメの多用や、和を感じるメロディには心を揺さぶられます。個人的には「BURN -フメツノフェイス-」という曲が、B’zの特徴を顕著に表していて、サイモンとガーファンクルの「冬の散歩道」を彷彿とさせるリフに、ピンクレディーの「サウスポー」的なメロディが展開するというまさにハードロックと歌謡曲の融合となっています。

ビーイング名曲紹介 88 勝手にしやがれ / 稲葉浩志

B’z / BURN -フメツノフェイス-

・幅広い音楽性

ハードな曲だけでなく、「えっ!?これ同じ人達?」と思ってしまう様なメロウな曲もたくさんあります。特に名曲「いつかのメリークリスマス」も収録される「FRIENDS」というコンセプトアルバムのシリーズは、メロウで大人な雰囲気の楽曲を数多く収録しており、彼らの多様性を堪能することができます。

B’z いつかのメリークリスマスFRIENDS ver

B’z LIVE FRIENDS シーズンエンド

◆SUSHIROCKが選ぶ「B’z」この曲を聴け!!

では独断と偏見で、私が選ぶB’zのベストをご紹介させていただきたいと思います。正直数多くある楽曲から選ぶのは大変でしたが・・・客観と主観を交え5曲選ばせていただきました。1

  • ultra soul

B’zの今やNo.1の代表曲であり、「ウルトラソウルッ!Hey!」というフレーズを耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?2001年にリリースされたシングルであり、当時は世界水泳のテーマソングで起用された事で話題となりました。この曲の偉大なところは、B’zが現代の音楽シーンに適応するのに重要な位置づけとなった事です。B’zは2000年代前半までは「LIVE-GYM」という自身が開催する単独ライブにしか出演しませんでしたが、その後、サマーソニックやロッキンジャパンといった通称音楽フェスが人気を博す時代となり、B’zも果敢にこういったイベントにも参加する様になりました。2019年にはサマーソニックで日本人として初めてのヘッドライナーを務めています。そしてそんなフェスへの挑戦の中で、このultra soulはB’zを知らないファン達にも存在感をアピールする、もはや「フェスの代表曲」と言っていい程までに進化を遂げてしまったのです。

この様にultra soulはB’zのフェス挑戦を共に戦い抜いた偉大な楽曲と言えます。

  • Liar!Liar!

一度聴けばすぐ耳に残るエッジの聴いたリフから始まるこの曲。1998年リリースのシングルですが、当時高校生だった私はテレビで初めてこの曲を耳にし、そのカッコ良さにファンになってしまった想い出の曲です。ハードロックバンド「メガデス」の元ギタリストマーティ・フリードマンもツアー来日中にたまたまこの曲を耳にして衝撃を受け、以降J-POPに興味を持ち活動拠点を日本に移すきかっけのひとつになったのは有名なエピソードです。

そして、このタイトなリズムの上で踊る稲葉氏の独特の歌唱は、日本語でもこんなグルーヴ感のあるロックができるという、SUSHIROCKとしても大きな影響を受けた楽曲になります。

  • もう一度キスしたかった
- YouTube
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1991年にリリースされたアルバム『IN THE LIFE』に収録されたバラードです。

ピアノを基調としたサウンドの上で、稲葉氏がせつなく歌唱し、松本氏が甘いギターを響かせています。この曲は当時のアレンジャーの明石昌夫氏の談で、アルバムの先行シングルを選ぶ際に、同じく収録曲の「ALONE」と迷った結果、シングルとしては「ALONE」が選ばれたのですが、その理由がこの曲が名曲すぎて、この曲をシングルにしてしまうと、その後のシングルがこの曲を超えられなくなる可能性があるという判断から、アルバムの一曲という位置づけにあえてした、という経緯だそうです。しかしファンは名曲の存在にはやはり気づくもので、現在に至るまで長く愛され続ける「知る人ぞ知る名曲」の地位を不動のものとしたのでした。

  • Brotherhood

1999年にリリースされたアルバム『Brotherhood』の表題曲でありとにかく壮大なロックバラードです。ファンに向けた感謝を歌った歌であり、B’zファンの事を「Brother(兄弟)」と例えたその歌唱、演奏には思わず熱いモノが込み上げてきます。この曲も「もう一度キスしたかった」同様に知る人ぞ知る名曲であり、ファンに大人気の曲です。

ライブでは最後の「We’ll be~」を稲葉氏がロングトーンでパフォーマンスするのが定番となっており、その歌唱力に常にド肝を抜かれます。感動とカッコ良さが共存した名曲だと思います。

  • ALL-OUT ATTACK

2006年にリリースされたアルバム『MONSTER』の一曲目を飾るハードチューンです。B’zにしては珍しくヘヴィーメタル調の激しさを持った曲であり個人的に好きな一曲です。しかしただ激しいだけでなく、急にメロウなパートに変化し、そこからまた爆発するかの様なサビになだれ込むという緩急溢れる、B’zらしい工夫が施された楽曲になります。とにかくストレス発散したい時に聴きたいナンバーになります。

◆まとめ

この様に、約30年以上の歴史の中で戦略的かつ総意工夫を凝らし、日本人のDNAを揺さぶる楽曲を常に制作し、ハードからメロウまで幅広い楽曲でファンを楽しませてくれるのがB’zの魅力です。少しでも興味を持ってくださった皆さんは、すでに「Brother」のひとりです!!

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